【実践基礎3】PyTorch による学習アルゴリズムとプロセスの全体像

ディープラーニングのトレーニングプロセスを示すフローチャート。データベースから入力データを処理し、モデルを用いて出力データを生成。その後、損失関数を通じて誤差を計算し、勾配計算とパラメータ更新を行う流れを視覚的に解説。dataloderからモデル (net)、criterion、loss.backward、optimizerまでの流れがわかる。 ディープラーニング
トレーニングプロセスのフローチャート

ディープラーニングでは、大量のデータを使用し、反復的な処理を通じてモデルの学習を進めていきます。このプロセス全体の大枠を、実際のコードと対応する形でまとめたのが以下の図です。本記事では、ディープラーニングの基本的な理論基礎に簡単に触れながら、実際にパソコン上で行われる処理の流れを解説していきます。具体的な実装については実装基礎編のPyTorchによる実装を御覧ください。

実装上の新しい単語などが出てきますが、まだここで気にすることはありません。各コンポーネントが短いコードで簡単にできることをなんとなく感じ取ってください。

モデルから損失まで

前処理を終えたデータは、次にモデル図中④)に入力されます。モデルは順伝播(フォワードプロパゲーション)を通じてデータを層ごとに処理し、出力(図中⑤output)を生成します。この出力は、dataloaderが用意した正解データ(ラベル)と比較され、損失関数図中⑥loss)として誤差を数値化します。

loss = criterion(output, y)

ここで criterion は損失関数のインスタンスであり、y は正解データを指します。PyTorch を用いることで、このような損失関数のインスタンスを簡単に作成できます。

図中のオレンジ色で示されている部分(モデルから損失関数まで)と⑦、⑧はすべて関数としてつながっています (Tensor の自動微分)。これは⑥のlossが⑤outputの関数であり、⑤outputが④モデルの関数だからです(視覚的、数学的な説明はこちら)。

勾配計算と逆伝搬

勾配計算

損失関数をモデルのパラメータ(例えば重みw)で微分することで、損失が小さくなる方向を計算します(誤差逆伝搬法とは?勾配計算による学習の仕組み)。この処理では、チェインルールを用いて、損失関数 loss(図中⑥)から出力 output(図中⑤)、さらにモデルの各層(図中④)へと遡って微分を計算します。

loss.backward()

この一行で、損失関数の各パラメータに関する勾配が自動的に計算されます。

パラメータ更新

勾配が計算されたら、次に最適化アルゴリズムをもちいてモデルのパラメータを更新します。これにより、損失関数の値が減少する方向にパラメータが調整されます。この処理は、図中⑦で示されている「勾配計算」をもとに、図中⑧の「パラメータ更新」を行うものです。

optimizer.step()

ここでoptimizerは最適化アルゴリズムのインスタンスです。例えば確率的勾配降下法(SGD)は、勾配に学習率をかけた分だけパラメータを変更します。一般的には、SGD をさらに発展させた Adam とと呼ばれるものが使われます。これにより、学習の効率と安定性が向上します。

まとめ

ディープラーニングの学習アルゴリズムは、以下のプロセスを何度も繰り返すことで進行します:

  1. データ処理: 適宜データを読み込み、前処理を行い、ミニバッチに分割。
  2. モデル処理: 入力データを順伝播して出力を生成。
  3. 損失計算: 出力と正解データを比較して損失を求める。
  4. 勾配計算と逆伝播: チェインルールを使い、損失関数を微分して勾配を計算。
  5. パラメータ更新: 勾配に基づいてパラメータを調整。

このプロセスを繰り返し、モデルがデータを正確に予測できるように学習を進めます。各ステップを適切に理解することで、オープンソースをコピーするだけでなく、自らモデルや訓練環境を構築したり、改良してプロジェクトに最適化することができるようになります。

おすすめカテゴリー

ぶつりやAI
サイエンスコラム
科学や物理学に関するさまざまなトピックに関するわかりやすい解説、自分の考えをまとめたコラムです。できるだけどなたでも楽しめる内容にしています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました