はじめに
本記事では、私が実際に使用した教材を中心に、初心者から中級者向けのおすすめ教材を紹介します。少し大きめの本屋さんに行けば、こちらで紹介する以外にも膨大な書籍があります。ぜひ実際に足を運んで手にとって、自分にあうものを3、4冊買って、モチベーションを高めてください。
無料学習リソース
学生の方であれば、なかなか自由に使えるお金が限られているかもしれません。しかし、その代わりに時間と体力には余裕があるはずです。その利点を活かして、大学の講義資料や無料のオンラインリソースを活用して学習を進めるのも良いと思います。以下に、私が見聞きしたものをまとめておきます。
ディープラーニング
私が書いているブログです。ディープラーニングに絞って、物理屋の視点から説明しています。基本的な理論編から実装編まであります。
機械学習
機械学習 | 筑波大学オープンコースウェア|TSUKUBA OCW |
機械学習についてのオンライン動画。講義ノートもあり。
東京工業大学情報数理工学院 機械学習の講義で使用した講義ノート。
機械学習についてのまとめ(Youtube)。
メディアプログラミング入門(CNNなど)、データマイニング入門(Pythonから主成分分析、k-means clusteringなどの機械学習まで)、情報数理科学VIIなど。
Python
東京大学のPythonに関する資料。PDF、Github、Google Colabによるnotebookの3つがあり、ハンズオンで学べる。
京都大学が実施するプログラミング演習(Python)の教科書。
その他
サイエンス系のチャンネル。グラフィックスがきれいででわかりやすい。ディープラーニングについての説明も多数。
オンラインコース (Coursera)
概要
CourseraはIBM、Googleといった一流企業から海外の有名大学まで、さまざまな機関と提携している、オンライン学習プラットフォームです。AI関連のコースが充実していますが、語学や情報技術、人文系など、幅広くあります。
修了書が付与されるものの多くは有料で、修了まで毎月料金が発生するサブスクリプション型です。多くの場合、一部だけ無料で視聴でき、「聴講」モードだと大部分が見れることもあります(ただし課題などはできず、もちろん修了証も発行されません)。
個人的には以下の理由(コースによる)から、非常におすすめです。
- 名だたる企業による質の高い信頼できるコースがあること
- 自分の手を動かして課題を解くことでしっかりと身につくこと
- 修了証や学位を得られ、履歴書やLinkedinに載せられる
- 修了するまで料金が発生するプレッシャーから、比較的短期(数ヶ月)で効率よく終わらせられる
私は一番最初にCourseraと本からスタートし、数ヶ月で一気に機械学習の基礎を固めました。英語教材が多いですが、日本語対応もあります。後ほど紹介するおすすめコースもいいですが、自分に合うコースを自分で探していただくのが一番いいと思います。ぜひこちらからお探しください。
料金体系
ある程度の時間が取れて元気のある方、AI以外にもいろんなことを学びたい方などは、個別コースではなく、Coursera Plus Monthly/Annualなどを購入してもいいかもしれません。
- 個別コース: 7,368円-11,879円/月
- Coursera Plus Monthly: 8,871円/月
- Coursera Plus Annual: 59,998円/月
おすすめコース
Pythonによる機械学習(筆者受講済み)
「IBM AIエンジニアリング プロフェッショナル認定証」シリーズの最初のコース。初心者向けに機械学習の基礎を学べるコースです。 Pythonを使ったデータ操作やモデル構築を通じて、実践的なスキルが身につきます。「機械学習」はディープラーニングを含む、より広いカテゴリーです。とにかくすぐにでもディープラーニングを学びたい方はスキップしてください。しかしもしそこまで急いでいるのでなければ、非常におすすめです。なぜなら、機械学習はディープラーニングを含む様々な手法であり、フレームワーク、学習、推論のフレームワークが割と似ているからです。ディープラーニングを相対化でき、より高い視点から見下ろすことができます。
高校生には少し難しいかもしれませんが、理工系の大学生・卒業者であればわりと簡単に理解できると思います。
Kerasによるディープラーニングとニューラルネットワーク入門(筆者受講済み)
筆者が購入・使用した教材
同じく「IBM AIエンジニアリング プロフェッショナル認定証」シリーズの2つ目のコース。Kerasを用いてディープラーニングの基礎を学ぶコースです。 実際のプロジェクトを通じて学習を進めることができます。KerasはTensorflowをベースにしたライブラリで、ネットワークモデルを非常に簡単にフィッティングしたりできます。したがって、細部にこだわらず、ディープラーニングの全体の流れを実装を通して体感するのに向いています。
オンラインコース(Udemy)
Deep Learning with Google Colab (筆者購入済み)
初心者向けディープラーニング入門コース。Google colabを使ったコースなので、Google アカウントさえあれば、すぐにでもディープラーニングを実践できます。ディープラーニングを実践するうえで必要になるPytorchの知識も一通り学べます。
おすすめ書籍
最短コースでわかる PyTorch &深層学習プログラミング(筆者購入済み)
副題: AI開発者のための独習ガイド
著者: 赤石 雅典
出版社: 日経BP
Pytorchでディープラーニングを実践するときの全体的な枠組みから、各要素の説明まで、非常に親切に書かれています。純粋理論基礎の内容を理解していればすんなり理解できると思います。これで全体感がわかれば、githubなどに転がっているコードを真似したりしながら自分で学習していく準備が整うと思います。「理系科目」やプログラミングにそこまで自信がない方から理系のエキスパートレベルの方まで、幅広く楽しめる本です。
Pythonデータサイエンスハンドブック(筆者購入済み)
副題: Jupyter、Numpy、pandas、Matplotlib、scikit-learnを使ったデータ分析、機械学習
著者: Jake VanderPlas(翻訳:菊池彰)
出版社: O’Reilly Media
データ分析の基礎を学びたい方に最適。
Pythonによるデータ分析入門 第2版(筆者購入済み)
副題: Numpy、pandasを使ったデータ処理
著者: Wes McKinney(翻訳:瀬戸山 雅人、小林 儀匡、滝口 開資)
出版社: O’Reilly Media
データ分析の基礎を学びたい方に最適。
徹底攻略 ディープラーニングG検定 ジェネラリスト問題集 第2版(第1版 筆者購入済み)
著者: 高橋 光太郎, 落合 達也, 渡邉 雅也, 志村 悟, 長谷川 慶
出版社: 技術評論社
筆者が購入・使用した教材
タイトルに有る通り、ジェネラリスト用の本です。データの扱い方から様々な機械学習、ディープラーニングの手法(画像、自然言語、音声など)まで、包括的に説明があります。問題には正解がついており、それぞれ説明が載っています。
この本の内容を把握すれば、「なんとなくなんでも知ってる人」になれます。全体像を掴むのに有用です。コードや実装の仕方が載っているわけではなく、実践的な内容ではない点だけご注意ください。