CMEF上海2023〜2025現地レポート|医療画像・AIの最新動向と中国市場の熱気


2023 年から2025 年まで、3回にわたって、上海で開催されるCMEF (春)に参加してきました。CMEF の基本情報と、上海 (春) の医療画像のエリアに限って所感を簡単にまとめたいと思います。

CMEF – 中国国際医療機器展とは?

CMEFは、日本のITEM、アメリカのRSNAに相当する中国最大級の医療・ヘルスケア機器展示会です。年2回、春は上海、秋は深圳で開催されています。1979年から続き、歴史ある展示会として知られています。

2024年春のCMEFでは、来場者数は31万人、出展社は5000社を超え、GE、Siemens、Philips、Canonなどのグローバル大手から、中国ローカル企業まで多種多様なメーカーが参加しています。

出展品目(出典:ジェトロ):

  • 医療用光学機器・電気医療機器
  • スマートヘルスケア・ウェアラブル機器
  • 医療画像、医療検査、体外診断
  • 病院建設、AI、CT、MRI、手術室、分子診断、POCT、リハビリ機器、救急設備など

会場(アクセス)

上海のCMEF春は、上海国家会展中心(NECC)で開催されます。会場は総面積35万平方メートルの超大型施設でパシフィコ横浜のおよそ 10 倍 、建物はクローバー状に4つに分かれ、分野ごとに分かれています。

最寄駅: 地下鉄2号線「国家会展中心」駅(虹橋空港すぐ隣)
出口は6番出口(「6口」)を出て、人の流れに従えばすぐに会場です。

CMEFのブース。4つの建物それぞれが3フロアに分かれている。

上海国家会展中心 (National Exhibition and Convention Center) の中心部

参加方法

日本からの参加は、CMEF公式サイトの「Visit」から英語で事前登録が可能です。中国国内からはwechatで「中国国际医疗器械博览会 → 门票获取」より登録可能です。

2024年は当日登録でも問題ありませんでしたが、事前登録がおすすめです。

個人的な所感

とにかく大きい、会社は無数

私は医療画像のエリアしか見ていませんが、想像を超える広さでした。数えきれないほどのCT・MRIメーカーがあり、アーム付きCTや立位 CT、傾斜型MRIなど、個性的な製品が並んでいました。

これは中国市場の典型で、例えばEV 業界では2019年時点で500 社以上のメーカーが存在したほどで(出典:東洋経済)、現在は BYD が覇権を握るに至っています。他にもシェアバイク、AI、IT関連企業など、圧倒的な数の会社がひしめき合い、その中から一握りの勝者が生まれるのです (ピークアウトする中国「殺到する経済」と「合理的バブル」の限界)。

医療機器はより歴史があり技術的参入障壁も高いですが、CMEFの圧倒的な規模とあふれかえるメーカーを目にすると、日本・欧米だけがいつまでも世界でシェアを独占するのは難しいと直感的に肌で感じられるはずです。

あふれるAI

2023 年は特に AI 関連の小さいサードパーティー製品が溢れていたように感じます。大きなモダリティ (CT, MR, 超音波) などのポスト処理や画像診断、データ管理など、様々な企業が出展していました。

2024 年以降はこうした AI を全面に押し出した小さい企業がやや目立たなくなった印象を受けました。一方で AI 技術を使った個々のサードパーティー企業の存在感は以前にもまして、洗練されてきた印象です。また、2024、2025 年と、展示ブースへの入場に登録を設ける企業もあり、技術流出に神経を使っているように感じました。

まとめ

上海CMEFに参加すると、中国市場の規模感、スピード感を肌で感じられます。展示を見るのももちろん、市場の熱気そのものを体感するだけでも十分価値があると感じました。

上海は距離も時差も少なく、飛行機代も比較的安いため、ぜひ現地を訪れ、CMEFと共に上海の文化や中華料理も楽しんでください。

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